10月16日スペースの回答のつづきです~!
『プロットは立てますか? もし立てるなら起承転結のどこから立てますか?』
いろんなやり方があると思うんですが、2021年10月現在は、
ストーリーの起承転結にわたる全体のプロットをつくっていません。
全体の起承転結は頭のなかにとどめます。
そのかわり直近で書くところのプロットは、前日などに書き出します。
■全体の起承転結を作らない理由
キャラクターの行動に合わせて
流れを模索しながらストーリーを展開させていきます。
「唇以外は非売品」(17万字くらいだったかな)の話もそんな感じです。
頭の中にはこんなふうにしたいな~。こうすれば整合性はとれるんじゃないかな~と考えていますが
ふんわりとした未来をアウトプットしてしまうと、満足感を得てしまい、自分の話に飽きてしまうため、
とりわけストーリー上の予定は書きださないようにしています。
■起承転結を細かく認識する。
わたし世代の国語教育では、小説1本に対して、『模範解答の起承転結』が1つ用意されていました。
作者が決めたわけではなく、授業としての『正解』です。
なのでこう……書き始めたばかりの方が、誤解されがちなのところかなと思うのですが、
全体の起承転結は1つであったほうがいいにしても、
作品中にはたくさんの起承転結が生じているという意識を持たれることを推奨します。
■起承転結の細分化の考え方:逆算する
たとえば『音無君は、毛嫌いしていた山野辺君を好きになる』が、転だとします。
すると起には『音無君が山野辺君を嫌いになった原因』が必要になります。
ひとは、ひとのことを簡単に『嫌い』だと認識する側面があり、
自分の身を守るために備わった思考のバイパスだと聞いたことがあります。
・つまり『嫌いにさせるのは簡単』です。
しかしながら、転で『音無君の気持ちを変える』のは『むずかしい』です。
ここでの『むずかしい』は、現実的に書き起こすことがむずかしいということのではなく、
ひとの感情の動きとして『嫌いなものをあっさりと好きになる』ことがふつうはないという点を指しています。
ご自分に置き換えて考えてください。
小学校のころに靴を隠したり、机に落書きをしたりしてきた相手がいたとして、
そのひとが高校でちょっといいやつになっていたからといって、好意を持てますか?
恨みや嫌悪は、ひとつの出来事では覆らないもので、かつ時間がたつほど『嫌い』という認識が定着して、
理由がどんな形であれ、条件反射的に処理されるようになります。
判断を速くする機能が頭の中にあると言ったほうが、伝わるかな……。(※心理学を学んだわけではなく、雑談から得たネタなのでエビデンスはふわふわです※)
だけども、承で、山野辺君への認識を新たにするというところが、このストーリー上最大の見せ場だと考えます。
ひとの脳には頻繁に目にするものを好きになる(安心感を覚える)という認識の回路を持っていますから、まず音無君と山野辺君には、接近してもらう必要があります。
そして接近した後にも、『山野辺君がじつはいいやつだった』と認識を改めるエピソードや、『山野辺君が僕を好きかもしれない』と疑いを抱いたりするエピソードといった、
承のなかにも、起承転結を設け、『音無君の気が変わった原因』となる話を書き連ねなくてはいけません。
ありがちなのが、『襲われていたところを助けられたから好きになった』ですが、そんなに単純でいいの?と自分に確認してみてください。
承のなかには、
・『不器用な山野辺君の好かれる努力1~N個』(おいしい)
・『音無君の葛藤1~N個』(おいしい)
・『音無君と山野辺君が急接近するエピソード1~N個』(おいしい)
・『音無君が山野辺君を回避しようとするエピソード1~N個』(おいしい)
を詰め込むことができます。
そうすると『1~N個』に対し、起承転結が発生します。
仮に山野辺君は小学校のころのいじめっ子で、音無君をいじめまくっていたとします。
山野辺くんが転校することで、音無君は解放されました。
しかし高校になって山野辺君が同級生として戻ってきて……
・『音無君逃げるエピソード1の細分化』
①→ひたすら無視されてもあきらめない山野辺君 →教科書がない山野辺君と机をくっつけて教科書シェア→筆談でも会話したがる山野辺君→山野辺君のノートのそのページを破って捨てる音無君
②→つぎの授業の場所を尋ねられても返事をしない音無君 →後ろをついてくる山野辺君 →学級委員に山野辺君を押し付ける音無君
③→転校生にやさしくないと訴える山野辺君VS『お前がやったことをバラすぞ』と脅し、距離を置こうとする音無君→『ガキのころの話なんか痛くもかゆくもねーわ』と取り合わない山野辺くん→『俺はいまだにイテ―んだよ!!』と内心憤り、さらにこころを閉ざす音無君
……ねえ、こういうの、嫌いじゃないでしょ……?
この小さな起承転結を繰り返せば、ストーリーに信ぴょう性が増し、音無君の感情の変化に読者の気持ちとシンクロしやすくなるのではないかな、と思っています。
直近書くところをプロットにするというのは、①内プロット、②内プロットという単位だと考えてもらえればOKです。
■速く書くコツ『文末にタスク(宿題)を記してから、原稿を閉じる』習慣
はぁ~今日も頑張った、原稿が2pも進んだ。
おつかれ自分、寝よう!ってタイミングで、エディタを閉じるまえに、明日の自分への宿題を用意します。
以下3点を、イメージできている限りに書いて残すと、作業を再開したときの執筆スピードが向上するのでお勧め。
★キャラクターの動作と雰囲気とセリフだけを簡潔に並べる。
①最短の行動文:●○が●●した。(する・しない)
②雰囲気:軽い・重い・たのしい・嫌々・ラブラブなど
③セリフ
執筆を再開するときには、思考をストーリーに移入して書きはじめる必要があり、
推敲を兼ねて2pから3pくらい遡って復習してから打ち始めます。
なので前日の没入した状態で①~③を残しておくと、今日これから執筆する予定の箇所が、
前日までの執筆と整合性がとれているのかどうかの確認ができます。
書いているときは近眼気味なので、ときおりつじつまのことも気にかけてあげたほうが、
かき上げたあとの推敲がすごく楽になります。
くわえて①~③がそのシーンのプロットになるため、
「●●がどんなふうに●●した」ことをどんなふうに書き起こすのかをメインに、
推敲しながら書くことができるので、0から文章を起こすのに比べてスピードがアップします。
くりかえしになりますが、プロットを宿題制で導入すると効きます。
なにかひとつでも役に立つことがあったらうれしいです。
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